Route 66 のビデオ&TV
ルート66ドラマの伝説 !!
■ トリビア
1960年から1964年にかけて放送された海外ドラマ。
当時,日本でも1961年からNHKとフジテレビで放送され,その後,字幕・吹き替えのビデオが待ち望まれたがなかなか発売されなかった。
昨今のルート66ブームに後押しされ,ようやく今年(2010年)6月6日にファースト・シーズン全30エピソードがDVDの字幕入りで発売された!!
<ストーリー>
トッド(写真左)とバズ(写真右)がコルベットC1に載って働きながら旅をしていく物語。
各エピソードごとに出演のマドンナ役がモノクロという特殊効果も働きとても魅力的です。
<キャスト>
トッド…マーティン・ミルナー
バズ…ジョージ・マハリス
■ 勝手気ままなレビュー
このドラマが放送された1961年というのは,私の生まれた年なので当然リアルタイムで見ることは不可能なことで,この伝説となっていたドラマを見たくて仕方ありませんでした。
ルート66を走り,お店に立ち寄るとこのビデオが販売されているの
ですが,日本で見れる補償(リージョンが違うので)もなく,手には
取ってみるもののなかなか購入に踏み切ることができずにいました。
そんな私にとっては当時の6月6日の発売日はワクワクのクリスマス
みたいなものでした。
前評判でルート66の現地で撮影されたのはほんの2・3話と言うこ
とでしたので,その辺はあまり期待せず見ることにしました。
私の大好き(憧れ)な車コルベットC1が充分に堪能できるので,と
ても楽しいドラマで,ほとんどのエピソードが一話ずつ完結になって
いるので,何処から見ても楽しめます。
また,エピソード毎に出演しているマドンナ役がとても新鮮で美し
く見えました。モノクロの世界は素晴らしい!!
ただ,翻訳が少々不満でした。「US66」や「Route66」と言う言
葉が翻訳されずに,すっ飛ばされているのには少々興醒めしました。確かに物語り上はただの固有名詞の国道番号かもしれませんが,一番大切な部分を飛ばされているようで寂しかったです(T_T)
恐らく翻訳の方がこの映画の主旨をあまり理解せずただ単に翻訳したのだと思いますが,現地の撮影がほとんどなく,ルート66の片鱗を見ることができない視聴者にとっては,せめて言葉だけでもというのが,切なる思いなのではないかと……。
■ルート66に出てくるコルベットについて
ここからは私の大好きなコルベットについて少し触れさせて頂きます。
まず最初にコルベットのモデルチェンジについて少し触れておきたいと思います。
コルベットは初期のモデルをC1(1953〜1962)といい,以降
C2(1963〜1967),C3(1968〜1982),C4(1983〜1996),そし
て現在のモデルをC5(1997〜)と言います。
これから私の話すこだわりにとても重要な部分となりますので,面
倒くさがらずお付き合い下さい。
ここで,私がこだわるのは初期型のC1モデルについてです。
左の写真がコルベットC1のモデルチェンジと年式になります。
1954年モデルと1956年モデルはヘッドライトが一灯であるのと,
全体のスタイルが随分と違うので間違うことはありませんが,1958年
(〜1960年)モデルと1961年(〜1962年)モデルは,前から見たの
では分かりにくいのですが,テールが全く違います。
1961年モデルからは現在のコルベットのテールへと引き継がれる大
幅な変更がされました。フロント部分はライトの縁がメッキから塗装
へと代わりフロントグリルも少し変更されています。
このドラマによってルート66の顔とでも言うべき車となったコルベ
ットですが,このドラマで使われていたコルベットは初期型のC1タイ
プになります。
さて,ここからが本題です。一般的にはこのドラマで使われていた
コルベットは1961年型のコルベットと言われていますが,コルベット
C1フリークの私は見逃しませんでした(^^)/
なんと,エピソード1で使われているコルベットは1960年型のコル
ベットなのです!! トッドのお父さんの形見と言われていたコルベット
がエピソード2から違うコルベットに入れ替わっていたんですねぇ。
「だから何だっていうんだ」と言われたらそれで話はおしまいです
が,ここにはとてもこだわってしまう自分がいます。
■コルベットの話題を漫画の世界まで広げてみると…
楠みちはる先生の漫画で1981年から1989年まで連載されていた「あいつとララバイ」の38巻と39巻に主役の研二がアメリカへ渡りバイクのレース修行に行き,ニューヨークで出逢う不良のブルースと1962年型コルベットを500PSまでチューンしたモンスターマシーンに乗った可愛い娘ちゃんティナとの間で巻き起こる危ない抗争!!
「あいつとララバイ」でピンと来ない人は,今,人気のアニメ「湾岸ミッドナイト」「シャコタン・ブギ」を描いた人と言えば分かるのではないかと思います。
「あいつとララバイ」の38巻というのは,1989年8月発売で,楠先生も手慣れたもので,完璧なコルベットを描いていました。
ここで注目したいのは,1983年8月から1984年12月までこの漫画と同時進行でヤングマガジンに連載されていた「J 物語」全2巻に出てくるコルベットです。
実はこの「J 物語」でも1巻と2巻でコルベットが変わってしまっています。
この漫画は主役のジェイ(少し前に不良を卒業した少年)と現役の不良ヒロシ,そして,やくざになった元不良の夏木という3人のジェネレーションギャップのある不良,それに,ジェイの妹ジュンとヒロシと関係のある娘有紗と夏木の恋人今日子の美人3人が繰り広げる青春不良ドラマですが,夏木と今日子が横領したドラッグをジェイと今日子がコルベットで運びに行く途中のシーンで1960年型のコルベットが突如1961年型に変わってしまいます。
漫画の中で夏木は石油を掘り当てて巨額の富を得たジェイムス・ディ
ーンの映画(恐らく「ジャイアンツ」)に憧れたというシーンで描かれ
ていたコルベットは1961年型だったが,ジェイムス・ディーンは1955
年に車(ポルシェ)の事故で亡くなっているので,この描写も間違いで
ある。1954年に発売された初代C1が恐らくこの映画で使われたコルベ
ットだと推測できます。
ここまで書いておいて,言うのも何ですが,これは,楠みちはる先生
への批判ではありません。逆に言えば大好きな楠みちはる先生の漫画の
中に自分のこだわり部分を発見できて嬉しいのです。これは,ドラマ
「Route 66」でも同じです。それがどうと言うことはないのです。
ちょっと気付いたのでここで触れてみたくなっただけです。これで,
ここを読んでくれた方々はコルベットフリークへ一歩近づけたのではな
いかと思います……。
余談ですが,ジェイムス・ディーンの主演映画「理由なき反抗」,こ
こで取り上げた「ジャイアンツ」(因みにジャイアンツの主演はエリザベステーラー)には,ルート66のロードムービーとして有名な「イージーライダー」でも活躍していたデニス・ホッパーが出演しています。この因果関係にも興味をそそられる何かがあるように思えるのは私だけでしょうか。
■最後にひとり言──
私の誕生年1961年のコルベットC1をいつか手に入れたい。そして,自分の生まれた年と偶然にも関連深いテレビドラマ「Route 66」!! 生涯をかけてルート66をおって行ければ幸せだなぁ……(^^)