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執筆者の写真Takashi Tazaki

望郷─サンフランシスコピークスと南アルプス


 私がルート66を走り始めてからSNSを通じて最初の友人,と言っても,人生の大先輩であり,ルート66とアメリカの情報やその良さを語り合う相手をしていただいている方が,病に倒れ入院されたとのことで,今週の月曜日に長野県の伊那市へお見舞いに行ってきたときのこと,この時期の中央自動車道を走る機会は今まで無かったので,南アルプスに雪がかかっている姿を始めて目にすることができた。

↑↓上が往路,下が復路の南アルプス

 望郷──私の故郷が長野県な訳でも無く,アメリカのアリゾナ州の街に住んでいたわけでも無いが,この南アルプスに雪がかかっている姿を見て育った人が,アメリカのアリゾナ州に渡り,サンフランシスコピークスに雪が掛かっている姿を見たときに感じるのでは無いかという想いがよぎり,ピタリと心にはまった「望郷」という言葉を使ってみた。

↑フラッグスタッフの隣にある街で名曲「Get your kicks on Route 66」ではWinonaも忘れないでと歌われている街に廃墟となり保存された橋から望む「サンフランシスコピークス」は何とも印象的だ!!

↑↓ルート66では,あまりにも有名なランドマークとなった「ツインアローズ」の向かい側にも「サンフランシスコピークス」を望むことができる。ハイウェイ越しという何となく似通ったシチュエーションにも「望郷」を感じることができる!!

 きっと,南アルプスを見て育った人からすれば,全く似ていないといわれるかも知れないのだが,私自身が勝手にそう感じてしまったのには,これから逢いに行く方との繋がりがルート66であったというのが,その要因の大きな一つとして働きかけていたのだと思う。

 ルート66の話をしていて「ルート66で一番好きなところは何処ですか?」と聞かれることが一番多い質問なのだが,インディアンとの繋がりからルート66を知った私には「インディアン=ルート66」なので,「サンタフェ」と応えると,ほとんどの方がサンタフェはルート66とあまり結びつかないらしく,その時,次に必ず挙げる場所が「フラッグスタッフ」である。これには皆さん賛同していただける。

 フラッグスタッフの良さはと聞かれたら,いの一番には映画「イージーライダー」のイメージなのだが,赤っ茶けたビュートとメサ(テーブルマウンテン),廃墟となった建築物に,今なお「昔」が残っている街並みや鉄道といった私の中にある「ルート66」のすべてがそこにはある。

 そういった意味で,アリゾナ州とニューメキシコ州のルート66は私にとっての「ルート66」そのものなのである。

↑映画「イージーライダー」のオープニングにかかる曲「Born to be wild」にのせてフラッグスタッフの街中を走るシーン。文字で見えにくいが向こう側に見えるのは現存する踏切。

↑映画「イージーライダー」のオープニングにかかる曲「Born to be wild」にのせてフラッグスタッフの街中を走るシーン。右側にある斧を持った大きな人形は現在無くなってしまったが,代わりに小さい人形この場所にが設置されている。

↑映画「イージーライダー」のオープニングにかかる曲「Born to be wild」にのせてフラッグスタッフの街中を走るシーン。現在はホテルで無く銀行になっている。

↑映画「イージーライダー」のオープニングにかかる曲「Born to be wild」が終わった後に訪れるモーテル。このモーテルはフラッグスタッフから10マイルほどのところにある街「Bellemont」に現在も廃墟となり保存されていてハーレー乗りの聖地とされている。

↑「フラッグスタッフ」からモニュメントバレーに向かうため南へ向かう途中でヒッピーを拾うシーン。ここもフラッグスタッフから数十マイルほどのところにある「Sunset Crater Volcano National Monument」内で撮影された。

↑「フラッグスタッフ」からモニュメントバレーに向かうためさらに南へ行くと給油をしたGSがある。現在は一般の方が住まれているが,この面影は今も残されている。

↑「フラッグスタッフ」からモニュメントバレーに向かう途中にあるとても目立つビュート

↑その後,モニュメントバレーのシーンが出てきて,日が暮れたためキャンプをするシーンになるが,実はこのシーンは上に出てきた「Sunset Crater Volcano National Monument」の隣にある「Wupatki National Monument」内でのキャンプシーンなので,実際の旅程とは違い前撮りしたシーンと推測される。現在はここでのキャンプは禁止されている。

 そのフラッグスタッフ周辺を走っていると,いつまでも続く代わり映えのしない赤っ茶けた景色の中に時折私の瞳に飛び込んでくるのがこの「サンフランシスコピークス」の山並みなのだが,うっすらと雪の掛かった季節のサンフランシスコピークスは何とも言えない絶景である。きっと,もっと寒い時期に行けば,より素晴らしい,雪に覆われたサンフランシスコピークスを拝む事ができるのだろうが,寒がりの私としては冬の寒い時期に行くのは勘弁願いたい。

 こうして見ていると,南アルプスの山並みを見ていて,ルート66へ行きたいと思う気持ちは,ある意味私にとっては「望郷」そのものなのかも知れないなぁ……

 あっ,そういえば談合坂の自動販売機で,こんな高い缶コーヒーを発見したのだが,どれほど味に差がある缶コーヒーなのかは分からないが買う気にはなれなかったのは私の貧乏性のせいかな?

 自動販売機と言えば,アメリカのサービスエリアの自動販売機は鉄格子の中に入っている。

 アメリカでは街中に自動販売機などあるはずも無く,無人のサービスエリアに自動販売機を設置するにはこのくらいの厳重さが必要なのだろう……

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